夜になると、カシホテルの玄関が開きます。
カシホテルの中には、数えきれないほどの部屋があります。
毎晩、上川はカシホテルの中をさまよい歩きます。
上川は、部屋の中には入れませんでした。
しかし今日初めて、上川は、ある部屋のドアのトッテをまわしました。
上川が部屋をのぞいてみると、トカゲ男が、上川をなぐりつけていました。
上川は恐ろしくなり、その部屋のドアを閉じました。
閉じたとたん、ドアが開き、トカゲ男がおそいかかってきました。
上川は、逃げました。
上川はカシホテルを出て、川の中を逃げ続けました。
遠くに、ハタホテルが見えてきました。